兆し


         
 

肌に触れる潮風、ざわめく波音、
視覚を通して捉えられた造形、潮の匂いはいつも違い
体内で一定の経路を辿り気憶となりもたらされ
時とともに体の隅々を巡り
ある時、派生するように像として浮かび上がる。

昔、誰かが言った。
”この世に生を受けるということは知らない森を歩くようなもの”
もしも、その森の入口に立つことを許されるのなら 柔らかな風が吹いていて欲しい。

[frame size : 620mm×620mm]阿波紙 楮